【村上龍さんの言葉】
管理という日本語は意味が曖昧だ。監督という言葉にも同様な性格がある。日本の場合、野球の監督もサッカーの監督も映画の監督も同じ「監督」だが、英語だとそれぞれマネージャー、コーチ、ディレクターで、それぞれ微妙に意味が違う。
「管理する」を和英辞書で見ると、administer, manage, control, superintend, supervise, overlook など複数の語があって、それぞれ微妙にニュアンスが違う。
管理や監督という日本語が広いニュアンスをカバーできるのは、お上や目上や上司にはほとんど盲目的に従うという社会的な規範が機能しているせいかも知れない。管理する側か、それともされる側かという二択のみが問題で、具体的な方法やノウハウはあまり問われることがない社会では、管理という一語だけで用が足りる。
言葉ってすごく大事なもので、そこに言葉がないと中々理解できないものがあります。目に見えないものを言葉で表すのは難しいです。しかし、その言葉ができた途端、そこに実体があるかのように機能します。
たとえば、”鬱”という言葉があるせいで、鬱になる人は増加する可能性があります。”ストレス”や”引きこもり”という言葉にも同じことが言えます。実体はないものにも言葉は存在します。ちなみに千原兄弟の千原ジュニアさんは元引きこもりであり、「”引きこもり”という言葉がない時代から引きこもりだった」と松本人志さんに言われています。
さて、リーダーシップについてですが、リーダーシップや人事管理についても言葉は非常に大事になってきます。日本の会社では、言われた仕事を早く正確に出来る人がリーダーについています。
しかし、仕事を正確にやれる人が、経営の方向性を決めたり、人事管理をする仕事が得意とは限りません。しかし、村上龍さんの言うように、日本の企業のほとんどが、管理する側と、管理される側の2分割にしてしまっています。
例えばマッキンゼーではこのように役割分担されます。マッキンゼーで求められるリーダーシップとは?採用基準【書評・レビュー】
- マネジャー(管理職、人事管理や労務管理、進行管理や品質管理、予算管理など)
- コーディネーター(調整役、成果を出すことよりも、組織の和を優先して利害調整を行う)
- プレイヤー(業務の遂行を行う)
つまりこれらの役割をしっかり分担することが、社内の業務を円滑に遂行するポイントだと思います。
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