2014年2月12日水曜日

【大前研一×柳井正】この国を出よ【書評・レビュー】

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価格:520円(税込、送料込)

大前研一さんと、ユニクロの柳井正さんによる対談本。

内容は政治や経営、教育など。柳井さんは政治が大嫌いで、なるべく政治には口を出さずやってきましたが、我慢できなくなったらしく、日本の悪いところをかなり的確に指摘しています。もちろん大前さんも鋭い分析力で日本の悪いところと、改善案を述べられています。

日本の税金

例えば税金の高さ。雇用を守るためには企業を守るべきなんですが、日本の企業はどういうわけか、法人税や所得税が高過ぎるために、企業の利益を確保することができません。利益が出ないということは、事業を拡大することも難しいですし、倒産する危険性は増えてしまいます。政府や企業を守るために色々やってますが、まず法人税や所得税の廃止が最優先でしょう。下手に企業の援助をするより、”邪魔をしない”というのが鉄則ですね。法人税や所得税を無しにすると、国民との税金に差ができ、不公平だという方もいらっしゃいますが、それはナンセンスです。日本の国民のほとんどが、会社からお金を頂いているわけですからね。税金が上がるのと、勤め先が倒産するのどっちが良いの?っていう話しです。あと、会社の利益は社長の利益だと思っている方もいらっしゃるようですが、会社の利益は会社の利益ですからね。社長も会社から給料を頂いているわけです。

日本の経営

次は経営。日本人というのは、海に囲まれた島に住んでるせいか、鎖国傾向にあります。日本人は海外に出るのを拒む傾向にあるようです。しかし、世界のネットワークをうまく利用しなければ、海外から押し寄せる企業に押しつぶされるのも時間の問題ではあります。GEやサムスンといったグローバル企業は人材投資に惜しみない金額と時間を費やしています。これには日本の企業が見習うべきところがたくさんありました。

日本の教育

次に教育。残念ながら日本の英語のレベルというのは、先進国の中では、最低ランクなんです。先程も述べたように、日本人は海外に出る力が必要です。一方で、海外の企業が日本に進出した際には英語というツールは仕事を行う上で必須スキルとなります。英語はそれぐらい重要なものなのです。ではなぜ日本人の英語のレベルは低いのか?この原因は教育にあると言えます。大前研一さんによると、公立学校の教員の英語力というのは、”教わるレベル”だそうです。つまり、日本人の英語力を上げるためには、現在の英語の教員には辞めていただくしかないのです。さらにいえば、英語で最も重要とされるのは、読み書きよりも、聞き喋りです。しかし、日本の英語教育というのは、読み書きが主軸となっており、英語の楽しさがわからないばかりか、社会に出ても役に立たない勉強をしているんです。大前研一さんによると、英語はブロークンでも良いそうです。最も大事なのは、リーダーとしてのセンスとそれを伝える力なのです。だから、英語はリスニングやスピーキングに力を入れるべきというわけです。

日本の政治家

次に政治。皆さんは日本の政治家にどれだけの税金を払っているかご存知でしょうか?国会議員の年収は、ざっと3000万円ほどです。しかし政治家にかかる費用はこれだけではありません。公設秘書3人分、文書通信交通滞在費、議員会館や議員宿舎も当然、コストです。そして、ここで挙げた数字をすべて合算すると、少なく見積もっても年間7000万円、任期の6年で掛ければ、参議院議員1人につき実に4億2000万円もの費用がかかるのです。

参議院だけでも、こういう人たちが現在242人いて、年間約170億円かかっているわけで、その役割とこうしたコストの対比、すなわち費用対効果を吟味する必要があります。要するに「役に立っているのかどうか」ということです。

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