【大前研一さんの言葉】
経済のグローバル化によって、中国で生産できるものは中国で、ITなどインドでできるものはインドでというように、少しでも人件費が安くすむ地域へ産業は引っ張られる。それを日本でやろうとなると、月給が5万円とか10万円でないと引き合わない。
一方、上のほうはといえば、アメリカのプロフェッショナルに引っ張られる。これは非常に給料が高い。たとえば、すごいトレーディング能力を持っている人が、勤めている銀行をやめてゴールドマン・サックスに引きぬかれて行くと、アメリカ並みの高給取りになってしまう。
このように、上の方はアメリカのプロフェッショナルに引っ張られ、逆に下はインドや中国に引っ張られる。つまり、人口分布に中低所得層と高所得層という2つのピークがある「M型社会」になってしまうわけである。こうして日本は「M型社会」へ急速に移っている。
では、そのとき、われわれは何をしたらいいのか。また上に行くためにはどうしたらいいか。
一つは、「よその国、特に途上国にできること」は避ける。
二つ目は、「コンピュータやロボットにできること」は避ける。
三つ目に、「反復性のあること」も避ける。反復性のあることは、ロボットかコンピュータが必ずやってしまうか、BPO(間接業務のアウトソーシング)されてしまうからだ。
要するに、これからは創造性があり、反復性がないこと、つまりイノベーションとか、クリエイティブ、プロデュース、といったキーワードに代表される能力が必要になっていくということである。
「雇用が無くなるから、海外に工場を移すな」とか言ってても仕方なくて、自分が変わるしかないんですよね。社長のせいや政治のせいにするのはやめましょう。自分を変えようとして、実際に変えていける人だけが心身ともに安心して暮らせるんです。覚悟するしかないですよ。
【ダニエル・ピンク】ハイ・コンセプト【書評・レビュー】
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